2021年5月15日

Zemax CTO(最高技術責任者)と共に『International Day of Light (国際光デー)』をお祝いしましょう

Category: Events

Zemax CTO(最高技術責任者)と共に『International Day of Light (国際光デー)』をお祝いしましょう
International Day of Ligt (国際光デー)を迎えるにあたり、私たちの日常生活における光学・フォトニクス技術の役割を認識するための最適の時期です。私は昨年、ライフサイエンス分野、特にCOVID-19 対策における光学・フォトニクス技術の重要な貢献事例を紹介してきました。診断や治療における目覚しい革新は、これまでも、そしてこれからも、光を基盤としたツールによって推進されていきます。

ライフサイエンス、家電、自動車などの分野では、製品やシステムの製造に光学やフォトニクス技術が不可欠となっています。例えば、システムの小型化が進むにつれ、従来の加工技術では限界があり、よりシャープでクリーンな部品を作る方法として、レーザー切断や溶接などの技術が注目されています。また、これらのレーザーシステムは、複雑で革新的なアプリケーションのカスタムコンポーネントの迅速な試作に大きな役割を果たしている積層造形や 3D プリンティングにも使用することができます。また、携帯電話のレンズや複合現実ゴーグル、LiDAR などの 3D イメージセンサなど、光学系の小型化が進んでいるシステムでは、3D プリンティング技術やプラスチックモールドなどの一般的な製造方法が採用され、その普及が進んでいます。さらに、製造現場での加工や組み立ての精度を確認するためにマシンビジョンシステムが使用されたり、製造作業を補助するロボットに高精度のカメラセンサが必要になったりと、光学魏医術は製造プロセスそのものにも貢献しています。

このような多くのアプリケーションでは、構造的または熱的な負荷がシステムの性能に大きな影響を与えることがあります。切断や溶接などに使われる高出力レーザーシステムには、レーザービームを必要な大きさに集光するための光学部品が含まれていますが、これらの部品は、レーザーによって加熱されることで特性が変化し、集光動作も変化します。また、3Dプリンタやプラスチック型で作られた小型の携帯電話のレンズは、その製造過程で応力がかかり、形状や材料の均質性に影響を与えることがあります。マシンビジョンや製造支援ロボットに使用されるカメラセンサは、工場の温度、圧力、湿度などの環境要因の影響を受けます。従来、このような影響は避けられないものと考えられており、製品の歩留まりや寿命を考える際には考慮する必要がありました。しかし、シミュレーションツールによって、構造的または熱的な影響が製品の性能に与える影響についての知見が増えてきており、エンジニアは設計・製造プロセスの一環としてこれらの影響を考慮することができるようになっています。Zemax では、このような取り組みを支援する、STAR (Structural Thermal Analysis and Results:構造分析および熱分析と結果) モジュールを近日中に発表する予定です。

製品設計は、それが構築できるかどうかにかかっています。すべての市場やアプリケーションにおいて、製造要件がますます厳しくなる中、次世代の製品設計における光学・フォトニクスの影響力はますます大きくなっています。この「International Day of Light(国際光デー)」に、我々の業界にある機会を認知し、そしてZemax での私の役割を通してその機会を前進させることができることは、とても喜ばしいことです。
 

著者:


Sanjay Gangadhara
CTO:最高技術責任者
Zemax, LLC