2022年7月18日

OpticsBuilderを使用したコスト削減への着手と光学設計の迅速な市場投入:図面チュートリアル

Category: Product News

このブログ記事では、Creo Parametricでカスタム図面テンプレートを作成することにより、OpticsBuilderでレンズ図面の作成を自動化するプロセスについて説明します。OpticsBuilderでは、レンズ図面を作成ツールを使用して、ISO 10110に準拠した円形レンズの図面を自動的に作成することができます。このツールでは、ZBDファイル形式でインポートしたカスタムプロパティを使用して入力した寸法と材質データを持つレンズの図面を生成します。この図面ツールでは、数字の書式設定、画像やテーブルの配置、レンズの寸法設定、レンズデータの自動入力を処理するマクロを実行します。

OpticsBuilderを使用して作成されたCreo Parametricアセンブリファイルには、機械部品と光学部品が含まれています。OpticsBuilderでは、レンズ図面を作成ツールを使用して円形レンズの図面を作成することができます。図面テンプレートとは、レンズの形状とプロパティを整理して図面に表示するフレームワークです。この記事では、カスタム図面テンプレートに含まれる情報、およびカスタム図面テンプレートを作成してOpticsBuilderで使用する方法を理解できるよう、順を追って説明します。

OpticsBuilder図面ツールの使い方

図面ツールを使用するには、次の手順に従います。

  1. ZBDファイルをOpticsBuilderにインポートします。

  2. [レンズ図面を作成]をクリックします。

  3. [レンズ図面を作成]ダイアログボックスで、図面の作成に使う光学部品を選択します。

  4. 図面テンプレート(OpticsBuilderまたはカスタム)を選択します。

  5. [OK]をクリックして図面ツールを起動します。

OpticsBuilder図面テンプレート

図面ツールの起動後に、レンズの正面図と断面図が含まれる図面が作成されます。レンズの厚みと表面直径の寸法が追加されます。ユーザーが図面ツールで[OpticsBuilderテンプレート]を選択した場合、次のような図面が表示されます。

OpticsBuilderテンプレートを使用する場合、ZBDファイルに次のデータが含まれていると、そのデータが自動的に図面テーブルに入力されます。

  • レンズの曲率半径と凹凸を示す記号(R)

  • クリアアパチャー半径(Øe

  • レンズの材質(ガラス)

  • 屈折率と不確かさ(Nd

  • アッベ数と不確かさ(Vd

  • パワーイレギュラリティ(3/)

  • ティルト(4/)

  • 面欠陥公差(5/)

  • 基準波長(6/)

  • 材料欠陥 - 応力複屈折(0/)

  • 材料欠陥 - 泡と包有物(1/)

  • 材料欠陥 - 不均質性と脈理(2/)

  • レンズ名(パーツ/図面)

  • 図面シートのスケール(スケール)

ダブレットと偶数次非球面レンズ

ダブレットレンズアセンブリの場合、自動的に個々のレンズと貼り合わせレンズグループの図面が生成されます。非球面レンズ(偶数次非球面のみ)の場合は、非球面係数とサグ表を含む図面シートが追加で生成されます。

カスタム図面テンプレートの作成

カスタム図面テンプレートでは、ユーザーが自身のニーズに合わせて独自の図面テンプレートを定義できます。テーブル、注釈、画像を作成したり、レンズの形状や材質のプロパティに関連するパラメータを追加したりできます。カスタムテンプレートのサイズや方向がOpticsBuilderテンプレートと異なる場合は、新しい図面フォーマットを作成する必要があります。

カスタム図面テンプレートを作成する最初の手順として、Creoで新しい図面フォーマットを作成してシートのサイズと方向を選択します。Creoの図面フォーマットにはテーブル、注釈、グラフィックのフレームワークが含まれており、これらはCreo図面テンプレートで永続的に使用されます。

図面フォーマットの名前を入力したら、[OK]をクリックしてシートのサイズと方向を選択します。

OK]をクリックして図面フォーマットを作成します。枠線が付いた空白の図面が作成され、ここからフォーマットの作成を開始できます。

図面の枠線の作成

図面の枠線は、テーブルの形状を作成するための基準として機能します。枠線を作成するには、次の手順に従って[スケッチ]タブの[エッジのオフセット](Offset Edgeツールを使用します。

  1. 空の図面フォーマットを開きます。

  2. [スケッチ]タブを選択します。

  3. [ ツールを選択します。

  4. 枠線のエッジを選択し、指定した距離だけオフセットします。オフセットの方向を逆にするには、負のオフセット数を使用します。

  5. コーナー(Cornerツールを使用して、Controlキーを押したまま枠線を選択し、その交点で枠線をトリミングします。

    テーブルの作成

    図面の枠線を作成したら、図面テーブルの作成を開始します。テーブルを作成するには、[ を使用するか、スケッチ線を描いてテーブルのセルを作成します。このチュートリアルでは、スケッチ線を使用してテーブルを作成します。これにより、テーブル内の個々の線に適用するスタイルやフォーマットを柔軟に選択することができます。

    テーブルの作成を開始するには、まず[スケッチ]タブを選択します。[スケッチ] (Sketch)タブでは、線ツールを使用してテーブルを作成できます。線の外観を変更するには、[スケッチ]タブの[ をクリックします。線ツールで作成する線は、シートのどこにでも描画できます。スケッチエンティティを作成する際は、スナップ基準を選択するよう求めるプロンプトが表示されます。スナップ基準として選択したオブジェクトの近くにカーソルがあると、そのオブジェクトに自動的にスナップします。スナップ基準と図面フォーマット内にある他の線との交点にも自動的にスナップします。

    エッジのオフセット(Offset Edge)ツールは、線を使用してテーブルを作成する際にも便利です。親の線からさまざまな距離で、垂直方向と水平方向に新しい線を作成できます。

    テーブルを作成した後に、図面テーブルで永続的な要素になる静的な注釈をプレーンテキストで図面フォーマットに追加できます。これを行うには、[ に移動して、テーブルの適切な場所に注釈を配置します。テーブルの線とテキスト注釈が完成したら、図面フォーマットを保存して、図面テンプレートの生成を開始できます。次の手順に進む前に、[ファイル] (File) → [保存] (Save)を使用して図面フォーマットを.frmファイルとして保存してください。

    1. 図面フォーマットを閉じます。

    2. 新規図面を作成します。

    3. [フォーマット付きで空] (Empty with Format) オプションを選択します。

    4. [参照]を使用して、作成した新しい図面フォーマットを図面の一部として読み込みます。

    5. [OK]をクリックして図面の作成を開始します。

    6. [ツール]タブを選択します。 

    7. [テンプレート] (Template)アイコンを選択し、図面モードからテンプレートモードに切り替えます。

     

      図面の注釈とカスタムパラメータ

      図面テンプレート作成の次の手順は、注釈の追加です。注釈には、テキスト、パラメータに格納したレンズデータ、またはテキストとデータの組み合わせを含めることができます。カスタムパラメータは、OpticStudioでZBDファイルを作成した後に各レンズに添付されます。

      光学オブジェクトに関連するカスタムパラメータをZBDの作成中に表示するには、[ツール] → [パラメータ]に移動します。

      カスタム図面テンプレートをゼロから作成する場合には、定義されているカスタムパラメータはありません。ただし、カスタムパラメータを呼び出して、今後作成する図面のテーブルに入力できます。そのためには、先頭に&を付けたパラメータ名が含まれる注釈を作成します。図面を生成する際に、カスタムパラメータが存在する場合、そのパラメータを呼び出す注釈が入力されます。

      テキストとカスタムパラメータを1つの注釈にまとめるには、パラメータ、テキスト、別のパラメータ名の順番で追加します。両方のパラメータ名の前に&を付ける必要があります。これは、公差を含むデータフィールドを作成する場合に便利です。

      これで、カスタム図面テンプレートにカスタムパラメータ製造データを追加する準備が整いました。図面作成の参考用に、CreoのOpticsBuilder図面テンプレートで使われるカスタムパラメータ名を以下に示します。

      非球面レンズ

      非球面レンズは図面ツールの特殊なケースで、サポートされるのは偶数次非球面レンズのみです。図面を偶数次非球面から作成する場合、OpticsBuilderテンプレートには最初のシートの先頭にサグ式が含まれます。また、非球面係数と、非球面の両面のサグ表が入った2枚の追加シートが含まれます。

      カスタム図面テンプレートで非球面用の追加シートを作成するには、次の手順に従う必要があります。

      1. テンプレートを開きます。

      2. [レイアウト]タブの[新規シート] (New Sheet)を使用して、シートを2つ追加します。

      3. [テーブル] (Table)タブの[テーブル](Table) を使用して、テーブルを追加します。

      4. [レイアウト]タブの[新規シート] (New Sheet) を使用して、シートをもう1つ追加します。

      5. [テーブル] (Table) タブの[テーブル] (Table) を使用して、テーブルをさらに2つ追加します。

      6. 画面下部で、新しい各シートのラベルを右クリックします。

      7. [設定]を選択します。

      8. シートフォーマットを正しい図面サイズに変更し、[OK]を選択して空白のシートを作成します。

      9. 新しい3つのテーブルに、非球面係数とサグ値のパラメータ名を、先頭に&を付けて入力します。

      10. テンプレートを保存します。

      図面テンプレートの保存

      テーブル、注釈、カスタムパラメータを含む図面テンプレートを作成したら、[ファイル][名前を付けて保存][コピーを保存] (Save a Copy) を使用して、テンプレートを.drwファイルとして保存する必要があります。シートフォーマットには、作成した図面の方向、サイズ、枠線、テーブル、および静的な注釈が含まれます。図面テンプレートには、使用する動的な注釈、モデル表示、パラメータ、および寸法がすべて含まれます。図面テンプレートは、保存時にシートフォーマットを参照します。

      この記事は、無料チュートリアル『OpticsBuilder入門』に含まれる最後のナレッジベース記事となります。これらの記事はこちらで入手できます。

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      著者:
      Jacob Hart