2021年5月12日

光コヒーレンストモグラフィ (OCT : 光干渉断層撮影)
システムをモデル化する方法

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光コヒーレンストモグラフィ (OCT : 光干渉断層撮影) システムをモデル化する方法

OCT (Optical Coherence Tomography : 光コヒーレンストモグラフィ / 光干渉断層撮影) とは、光の干渉性を利用してサンプルの断面または内部の3次元画像を生成することができる技術です。光が透過できる深さはミリメートルオーダーに制限されていますが、OCT は安全かつ高解像度であるため、一般的には医療分野での生体組織のイメージングに使用されています。

OCT測定システムは、参照ミラーから反射された光とサンプルから照り返された光のコヒーレンスにより、散乱光が参照ミラーの位置に対するサンプルの深さから発生することを示す、マイケルソン干渉計を使用しています。OTC 測定システムは参照ミラーとサンプルからの反射光の間のコヒーレンスを測定するための、マイケルソン干渉計の原理を使用しています。参照ミラーの位置から、サンプルにより散乱光が発生した位置の深さを測定します。

この記事では、OpticStudio で一般の OCT モデルを作成する方法について説明します。

モデルシステム

健康な人間の目の角膜および虹彩 (A) と網膜組織 (B) の断面画像を下図に示します。色の変化は、返ってきた光の強さの変化に対応します。

代表的なOCT システムを下図に示します。 ビームは2つのアームに均等に分割する必要があり、そのうちの1つはサンプルに収束し、既定のスキャンで照射される領域を最小限に抑えることで測定の空間分解能を上げます。 光源は、広帯域光のコリメートされたビームである必要があります。 広い帯域幅はコヒーレンス性が低く、散乱光が発生する深度を特定する際の精度が高いことを意味します。


光軸方向スキャンまたはA スキャンと呼ばれる深度スキャンは、サンプルへの距離の関数として反射光の強度を測定します。OCT システムの種類によって異なりますが、深度スキャンは通常、サンプルから返される光がサンプルと参照物間の特定光路差 (OPD) に対応するように、参照ミラーをスキャンすることによって実行されます。横方向、またはB スキャンは、スキャンミラーを x または y 軸方向で回転させ、それによってサンプル領域全体にプローブビームを平行移動させることによって実行されます。

市販されている OCT システムの仕様から、我々のターゲットとする仕様を採用しています。光源の特性に由来する軸方向の分解能は、5 μm のオーダーである必要があります。 サンプルのビーム径に由来する横方向の分解能は、15 μm である必要があります。 800 nm の光は、浸透を制限する組織への高い吸収を避けるために使用されます。
光源の仕様

OCT は、広帯域の近赤外光と組み合わせて干渉法を使用します。 より広い帯域幅は深さ方向の高解像度を提供し、波長の選択はサンプル材料の侵入深度を決定します。この例では、840 nm の中心波長をもち、60 nm の FWHM を持つ光源を使用します。これは以下の式から空気中で 5 μm の軸方向分解能を示します:

これらのスペクトル特性は、生物学的イメージング用の共通の波長と十分な高解像度の帯域幅を備えた Superluより市販されているスーパールミネッセントダイオードに由来します。この記事ではコリメート光学系を省略し、干渉計に入る光源ビームから開始しています。

OpticStudio は、適切な範囲内で複数のシステム波長を定義する方法と、関連するコヒーレンス長を光源特性として定義する方法の2つで広帯域光源を定義できます。コヒーレンス性は OCT に必要な光源特性であるため、このメソッドを使用して、OpticStudio が次の式で帯域幅の計算とサンプリングを実行できるようにします:

オブジェクト設定は以下のようになります:

医療とヘルスケアのより良い未来

私たちは、医療分野での AR の成長と、今後数年の間に続く新しい革新を楽しみにしています。この技術が発展するにつれて、医療の質は向上し続け、私たちの生活の質もまた向上につながるからです。

ベースシステムであるマイケルソン干渉計をモデル化する方法の詳細や、深度スキャンを可能にするコヒーレンスゲート効果の実演など更なる詳細については、すでに弊社製品をお使いの方は、MyZemax.com のナレッジベースでシリーズ全体の記事をご覧いただけます。現在弊社製品をお使いになっていない方や、OpticStudio の詳細につきましては、弊社の営業担当までお問い合せください。

著者
Lisa Li