2022年8月19日
OpticsBuilder ライセンシングとインストール

OpticsBuilder では、キーサーバーにインストールした共有ネットワーク ライセンスを使用して、ライセンスへのアクセスを管理します。ライセンス管理者は、キーサーバーに Zemax ライセンス マネージャと OpticsBuilder のライセンスをインストールし、Zemax.com でエンド ユーザーにライセンスを割り当てます。エンド ユーザーは、任意のコンピュータに OpticsBuilder ソフトウェアをインストールして、そのコンピュータからキーサーバーにあるライセンスにアクセスします。
ユーザーが 1 人のみであれば、OpticsBuilder をインストールしたコンピュータにキーサーバーを置くことができます。
この場合は、両方のインストール タイプに対応できます。OpticsBuilder のライセンス管理者とユーザーの方々は、この記事に目を通すことで、OpticsBuilder のインストールとライセンス処理のプロセスのほか、その過程で発生する問題を解消する方法も明確に理解できるようになります。
OpticsBuilder のアクティベーション コードを受け取っているライセンス管理者の方は、「OpticsBuilder のライセンスのインストール」から始めてください。
OpticsBuilder のライセンスが割り当てられたことを通知する電子メールを受け取っていても、アクティベーション コードを受け取っていない場合は、「エンド ユーザーによる OpticsBuilder のインストール」の手順に従い、使用しているクライアント マシンに OpticsBuilder をインストールします。
OpticsBuilderのソフトウェアサポート
OpticsBuilder は、Creo バージョン 4、5、6、および 7.0.5.0 をサポートするアドインです。
Windows のサポート
OpticsBuilder およびライセンス サーバー構成用の Zemax ライセンス マネージャは、64 ビット バージョンの Windows 7 SP1、8.1、および 10 をサポートしています。Windows Server 2012 の 64 ビット版以降もサポートされています。Windows 7 は、2020 年 1 月現在、マイクロソフトまたは PTC から製品サポートを受けられなくなりました。
この記事では、OpticsBuilder のインストール手順とライセンス処理手順について説明します。OpticsBuilder では、Zemax ライセンス マネージャを使用して、ライセンス管理者とエンド ユーザーのアクセス権を管理します。Zemax ライセンス マネージャと OpticsBuilder ソフトウェアのインストールを取り上げるほか、エンド ユーザーが経験すると考えられる問題のトラブルシューティングにも触れます。新たなツールとして Zemax 設定トラブルシュータ ツールが導入されています。このツールは、エンド ユーザーのコンピュータを解析し、インストールとライセンス処理に関する問題を洗い出します。
OpticsBuilderのライセンスのインストール
Zemax.com
インストールに着手する前に、一定の準備措置を完了しておく必要があります。OpticsBuilder のライセンス管理者は、ライセンスのアクティベーションに関する情報を記した電子メールと、Zemax.com での登録完了を案内する電子メールを受け取ります。
ライセンス管理者は、Zemax.com で OpticsBuilder のライセンスにエンド ユーザーを追加する必要もあります。
Zemax.com で登録を完了すると、すべてのユーザーが以下の処理を実施できるようになります。
-
ソフトウェアのダウンロードにアクセスする。
-
サポート案件を提出する。
-
ユーザー フォーラムにアクセスする。
-
ナレッジ ベースの記事にアクセスする。
最初の手順 - ライセンス管理者
OpticsBuilder は、マルチユーザー ライセンスまたは共有ネットワーク ライセンスで販売されています。ライセンス管理者は、エンド ユーザーからライセンスへのアクセスを Zemax.com で管理します。ライセンス管理者がライセンスを管理するための最初の手順は以下のとおりです。
ライセンス番号とアクティベーション コードを記したライセンス供与の電子メールを受け取ります。
Zemaxへの案内を記した電子メールを受け取り、Zemax.com での登録を完了します。Zemax への案内を受け取っていない場合は、既に自社のアカウントがあることが考えられます。Zemax.com の [Sign In] ページからパスワードのリセットを依頼できます。
Zemax.com でエンド ユーザーを同僚として追加します。新しいライセンスのエンド ユーザーとして同僚を割り当てます。同僚の追加とエンド ユーザーの割り当てについては「ライセンスにエンドユーザーを追加する方法を教えてください。」を参照してください。
上記 3 点の処理を完了したうえで以下の処理に進みます。
インストールのシナリオ
OpticsBuilder のライセンスをネットワークで使用するシナリオとして 2 種類があります。アクティベーションのプロセスではインターネットへのアクセスが必要です。
-
ネットワーク サーバーでのアクティベーション (確実にライセンスを使用できるようにする場合に推奨)
-
ローカル ライセンスのアクティベーション(ユーザーのコンピュータ上でのアクティベーション)
ネットワーク サーバーでのアクティベーション
ほとんどのインストール作業では、企業ネットワークにアクセスできるサーバー マシンに Zemax ライセンス マネージャ (ZLM) がインストールされます。このシナリオでは、このサーバー マシンを使用して、クライアント マシン用のライセンスをアクティベーションし、管理します。この方法では、Zemax ライセンス マネージャのインストール先とする Windows マシンのみが必要です。Creoなどの CAD パッケージは不要です。

-
OpticStudio をはじめとする他の Zemax ソフトウェアのネットワーク ライセンスが既存のサーバー上にある場合は、何らかのバージョンの Zemax ライセンス マネージャ (ZLM) がインストール済みであることが考えられます。ただし、ホスト マシン上にある ZLM のビルド日付が 2020 年 1 月よりも前の場合、OpticsBuilder をアクティベーションするには、その既存の ZLM を最新バージョンに更新する必要があります。この最新の ZLM は、OpticsBuilderのダウンロード ページからダウンロードしてインストールできます。そのインストールの際に、既存のバージョンを最新バージョンにアップグレードできます。
-
ZLM をインストールした後、目的のライセンスをアクティベーションします。アクティベーションのプロセスではインターネットへのアクセスが必要です。ライセンス管理者は、以下の図に示すように、ZLM の [新規ライセンス] (New License) タブでライセンス番号、アクティベーション コード、および Zemax.com のログイン情報を入力します。この入力操作ではインターネットへのアクセスが必要です。
-
アクティベーションを完了すると、図 3 に示す ZLM の [ライセンスの表示] (View License) タブに、OpticsBuilder で使用できるライセンスが表示されます。ライセンス管理者は、ここに表示されている製品名、有効期限、ライセンス シート数が正しいことを確認する必要があります。
この段階で Zemaxの [ライセンス ポリシー] (Licensing Policies)ページに目を通しておくことをお勧めします。このページでは、ライセンスの機能、ライセンスのバックアップ、ライセンス紛失の防止、紛失したライセンスに関するポリシーについて詳しく説明しています。
-
ライセンスにエンド ユーザーを追加していない場合は、Zemax.com にログインしてエンド ユーザーを追加します。
-
この段階で、エンド ユーザーは「エンド ユーザーによる OpticsBuilder のインストール」にある手順に従い、それぞれのクライアント マシンに OpticsBuilder をインストールできます。
ローカル ライセンスのアクティベーション
ネットワーク ライセンスをサーバー上で共有するのではなく、ユーザーのマシンに単独のネットワーク ライセンスをローカルで置くこともできます。ローカル ライセンス ユーザーがライセンスを管理する一般的な手順は以下のとおりです。
- ライセンス番号、アクティベーション コード、OpticsBuilder のダウンロード リンクを記したライセンス供与の電子メールを受け取ります。
- Zemax.com への登録を完了します。
- OpticsBuilder をダウンロードしてインストールします。OpticsBuilder には、Creo バージョン 4、5、6、または 7 が必要です。また、インストールを成功させるには管理者権限も必要です。
- ライセンスをアクティベーションします。アクティベーションのプロセスではインターネットへのアクセスが必要です。
- アクティブ化を承認するには、Zemax アカウントにライセンスの "エンド ユーザー" として記載されている必要があります。
-
OpticsBuilderをダウンロードして、そのインストーラを起動します。
-
OpticsBuilder を正常にインストールすると、Zemax ライセンス マネージャ (ZLM) の [新規ライセンス] (New License) ページが開き、そこで OpticsBuilder のライセンスをアクティベーションできます。図 5 に示すように、電子メールで受け取ったライセンス番号とアクティベーション コード、および Zemax.com のログイン情報を入力します。
ライセンス認証エラーが発生した場合は、この記事を参照してください。
-
ZLM でライセンスをアクティベーションすると、図 6 に示すように、OpticsBuilder のシートが 1 つ使用できるようになっていることがわかります。
ヒント :この段階で Zemaxの [ライセンス ポリシー] (Licensing Policies) ページに目を通しておくことをお勧めします。このページでは、ライセンスの機能、ライセンスのバックアップ、ライセンス紛失の防止、紛失したライセンスに関するポリシーについて詳しく説明しています。
-
これで、ZLM を終了し、SolidWorks などの CAD パッケージを起動すると、それが機能することを確認できます。CAD パッケージを起動したときに [Unable to start Opticstbuilder. Would you like to run the Zemax Troubleshooter?] (OpticsBuilder を起動できません。Zemax トラブルシュータを実行しますか?) というエラーが表示された場合は、以下の「ライセンスのトラブルシューティング」を参照してください。
エンド ユーザーによる OpticsBuilder のインストール
このセクションは、ネットワーク サーバーにインストールされている OpticsBuilder ライセンスを使用する場合に適用されます。
ライセンス管理者がエンド ユーザーを Zemax.com に追加し、そのエンド ユーザーにライセンスを割り当てると、そのユーザーは以下の情報を受け取ります。
- Zemax.com での登録を案内する電子メール (未登録の場合)
- ライセンス割り当てを通知する電子メール
-
上記の情報を受け取ったエンド ユーザーは、OpticsBuilderのダウンロード ページ から OpticsBuilder をダウンロードしてインストールできます。
ヒント:OpticsBuilderを使用するには、Creo のバージョン4、5、6、または 7 が必要です。また、インストールを正常に行うには、管理者権限が必要です。
- インストールの通常の手順に従います。インストールの最後で、Zemax ライセンス マネージャが自動的に開きます。[ライセンスの表示] (View License) タブを開きます。
- OpticsBuilder ライセンスが表示された場合は、Zemax ライセンス マネージャを閉じて Creo を起動することができます
- OpticsBuilder ライセンスを使用するために、Zemax アカウントのユーザー名 (電子メール アドレス) とパスワードを入力するように求められます。CAD パッケージの「オプティクスビルダーのアクティブ化」に移動します。
-
-
Opticsbuilder ライセンスが表示されない場合は、ライセンスが配置されているサーバー名を指定する必要があります。Zemax Network ライセンス用にキーサーバーとクライアントを構成する方法の「ライセンスのトラブルシューティング」セクションを参照してください。
-
Creo Parametric 7.0.5.0 以降でOpticsBuilder を起動すると、以下の警告メッセージが表示されますので、そのまま[この決定を記憶する]チェックボックスをチェックしてください。
Parametric TOOLKIT のアプリケーションがOpticsBuilder DLL がチェックされるからです。
-
- OpticsBuilderを起動できない等のエラーが発生した場合。"Would you like to run the Zemax Troubleshooter?" などのエラーが発生した場合は、以下の「トラブルシューティングライセンス」セクションを参照してください。
CAD パッケージでのOpticsBuilderのアクティブ化
これは、OpticsBuilder アドインが CAD パッケージでアクティブ化されていることを確認する方法です。
Creo で OpticsBuilder を 1 つのセッションでアクティブにするには:
- ツールバーから ユーティリティを開いて、補助アプリケーションを開きます。
- OpticsBuilderをクリックしてます。
- 登録をクリックします。
- C:Program Files\OpticsBuilderに移動しますOpticsBuilder.datを選択してOpticsBuilderを登録します。
-
[開始] を選択して、補助アプリケーションで OpticsBuilder アドインを起動します。

OpticsBuilder は 20 秒以内に読み込み、最初に開いたときに一部のファイルを [ドキュメント] フォルダーにコピーする必要があります。
OpticsBuilder をすべてのセッションの開始時に自動的に Creo に登録するには:
-
管理者としてメモ帳を開く
-
C:\Program Files\PTC\Creo 5.0\M020\Common Files\text (またはお使いのバージョンのCreoの同様の場所)を開きます。
-
[ファイルの種類] ドロップダウンで、ファイルの種類を [テキスト ドキュメント] から[すべてのファイル] に変更します。
-
下にスクロールしてpro し、ファイルを開きます。
-
テキスト ファイルの最後に、次の行をコピーして貼り付けます (OpticsBuilder のバージョンのパスを変更します): PROTKDAT C:\Program Files\OpticsBuilder\OpticsBuilder.dat
「OpticsBuilder を起動できません。Zemax トラブルシューティング ツールを実行しますか?」CAD パッケージを起動するときは、以下の「トラブルシューティング」セクションを参照してください。
OpticsBuilder を開始できないエラーのトラブルシューティング
ファイルハッシュでファイルエラーが表示されています。どうしたらよいですか?
Zemax セットアップトラブルシューターの下部には、OpticsBuilder インストールディレクトリのファイルに関するファイルハッシュ情報が表示されます。ファイルハッシュをスキャンすることで、必要な OpticsBuilder ファイルがすべて存在し、正しいことが確認できます。ファイルハッシュにエラーが表示された場合、重要なファイルがインストールされていないことを示しますので、ユーザは OpticsBuilder サポートにEメールを送信する必要があります。
Creo Parametric 7.0.5.0について
creo 7.0.5.0 以降で OpticsBuilder が起動しない場合は、こちらの記事を参照し正しくインストールを行ってください。
OpticsBuilderのライセンスに関する FAQ
ライセンスが鍵サーバーにインストールされている場合、OpticsBuilder クライアント・マシンをオフラインで使用できますか?
はい。ネットワーク ライセンスのエンド ユーザーは、Zemax にログインする必要があるため、最初はインターネットが必要です。オフラインで使用するためにライセンスサーバーからライセンスシートをチェックアウトするオプションもあります。これを行うには、Zemax ライセンス マネージャーの [チェックアウト] をクリックします。
OpticsBuilder のチェックアウトされたライセンス シートは、サーバー上のネットワーク ライセンス管理者によって指定された日数の間、オフラインで使用できます。
ライセンスのチェックアウトはデフォルトで無効になっていることに注意してください。ライセンス管理者がライセンス・キー・サーバーでライセンス・チェックアウトを使用可能にするための手順については、こちらを参照してください。
OpticsBuilder はオフラインでインストールできますか?
いいえ、この製品にはオンラインアクティベーションが必要です。ただし、アクティベーション後、ライセンスはオフラインで使用できます。
共有ライセンスのライセンスサーバーの使用状況を管理およびログに記録するにはどうすればよいですか?
Sentinel管理コントロールセンター(SACC)は、ライセンスサーバ上のZLMがサーバ構成設定の管理、ログへのアクセス、およびOpticsBuilderの詳細なライセンス情報の表示に使用する管理インタフェースです。
SACCにアクセスするには、Zemaxライセンスマネージャの[トラブルシューティング]ページの[Sentinel管理コントロールセンターの起動]リンクをクリックします。これにより、SACC のグラフィカルインタフェースが開きます。キーサーバでのSentinel管理コントロールセンターの使用に関する詳細は、こちらを参照してください。

OpticsBuilder のライセンスとインストールに関する詳細は、Zemax Community をご覧ください。
トレーニングにご興味ありますか?新しいOpticsBuilder トレーニングコース “Designing Optomechanical Systems with Zemax OpticsBuilder” をご確認ください。
このコースでは、Zemax OpticStudio から CAD 環境へ光学系を準備・変換し、Zemax OpticsBuilder の幅広い機能を使って光学性能を解析するために CAD ユーザが必要とするツールを理解するためのすべての学習ステップが含まれています。
学習内容:
-
オプトメカシステムのパッケージング、解析、および検証に必要な光学の基本的な概念を学びます。
-
Zemax の光線追跡エンジンによる光学性能の計算と測定方法、および Zemax OpticStudio から OpticsBuilder アドインによる CAD 環境への変換ワークフローの適用方法について学びます。
-
膨大な種類の OpticsBuilder ツールの使用方法を使用事例で理解することができます。
-
Learn how to use the optical drawings feature of OpticsBuilder.
-
OpticsBuilder の光学系機能の使用方法について説明します。
登録はこちら
OpticsBuilder の機能を無料体験版でお試しください。