2022年5月30日

ノートルダム大学天体物理学グループ、大型双眼望遠鏡の回折限界スペクトログラフにおける性能シミュレーションにOpticStudioを採用

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高精度なシミュレーションによって視線速度装置の迅速な設計反復を支援し、スペクトログラフ設計の信頼性を確立

インディアナ州にあるノートルダム大学(UND)の物理学科は、地上光学天文学、赤外線天文学、観測天体物理学、理論天体物理学、宇宙論など、多岐にわたる天文学の研究に対応しています。彼らが地上観測で達成した成果の大部分は、世界最高の性能と用途を誇る望遠鏡プロジェクト、アリゾナ州グレアム山国際天文台の大双眼望遠鏡(LBT)との有名なパートナーシップによって生まれています。米国、イタリア、ドイツの科学者が、太陽系天体の研究や初期宇宙の研究など、天文学に関するさまざまな課題の解決にLBTを活用しています。

UNDでは当初、2019年にLBTで本稼働を迎えたファイバー集光システムの設計と最適化にZemaxを使用していました。その後UNDでは、LBTの構成要素であるドップラースペクトロメーターの開発に着手しました。このスペクトロメーターに搭載される初めての回折限界スペクトログラフは、太陽系外惑星の超精密なRV研究を用途としています。このような毎秒1 m以下の精度を達成するためには、そのための機能をiLocaterのスペクトログラフに組み込む必要がありました。iLocaterとは、シングルモードファイバー集光による太陽系外惑星の発見と調査に最適化された初の視線速度装置です。

iLocaterチームによるiLocaterの開発、そして将来の回折限界スペクトログラフの開発にとって、ガウスシステムの回折限界性能をエンドツーエンドで正確にシミュレーションおよび追跡する機能は欠かせませんでした。その機能の実現にあたり重要な役割を果たしたのがZemax OpticStudioです。回折限界スペクトログラフの光学系開発における精度達成の理想的な手法は、物理光学伝搬(POP)です。同チームでは、このPOPの効果シミュレーションにもOpticStudioを活用しました。

ノートルダム大学物理学科で研究助教授を務めるJonathan Crass博士は次のように述べています。「OpticStudioがPOPシミュレーションにもたらす精度の高さが、システム最適化という継続的な作業の効率を大幅に高めてくれました。Zemaxによって、波面性能の追跡と、オプトメカ設計用CADソフトウェアとの容易な連携を、包括的な統合ソフトウェアソリューションで実現できました」

それぞれの専門用語や概念の背景情報と、Crass博士そして同氏が率いるチームがOpticStudioによってシミュレーションを成功に導いた事例は、完全版にてお読みいただけます。また、光学設計の業界標準ソフトウェアOpticStudio無料試用版にてお試しいただけます。