2022年4月12日

イェーナ大学のフォトニクス・応用物理学の研究所、OpticStudio を使用して超高速バルクレーザー加工の精度を向上

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多くのレーザー改質シナリオに伴う収差を補正するレンズの選択において、光線追跡と大規模なカタログが研究者をサポート

ドイツのイェーナにあるフリードリ・シラー大学の応用物理研究所(IAP)は、光学設計、マイクロ/ ナノ光学および量子光学、光ファ

イバーおよび導波光学、超高速光学といった分野の基礎研究と応用研究を行う機関です。また、同じくイェーナ大学にあるAbbe Center of Photonics(ACP)は、光学・フォトニクス分野の研究・教育、光技術の開発・移転においてヨーロッパをリードする教育機関です。

この2校は最近、ピコ秒(10-12)からフェムト秒(10-15)の範囲で測定されるパルス幅を持つ高出力・高周波の「超短パルス」レーザーを用いて、高密度材料の切断、穿孔、彫刻、その他の構造変更を行うバルクレーザー加工に関する実験を行いました。この活動で要求される極めて高い精度は、特定の加工要素によって引き起こされる球面収差を相殺できるレンズを持つ光学系を設計することを必要とします。

イェーナ大学のポスドク研究員である Qingfeng Li 氏は、脆性材料(ガラスと金属、シリコンと金属など)の超高速レーザー溶接と、集束レーザービームシステムの柔軟かつ高速でベンチマーク可能なベクトルモデルの開発について研究しています。Li 氏は OpticStudio を使用して、さまざまな光学系設計を分析し、これらの収差を最も正確に補正し、最適なバルクレーザー加工ソリューションを生み出す設計を決定しました。

「レンズメーカーから仕様は提供されますが、それだけでは目的を達成するのに十分ではありませんでした。」とLi 氏は語っています。「われわれのレーザーの用途では一般的な光学プロジェクトと異なる波長を使用しており、ビーム成形のように、さらに複雑なことを行います。われわれが行っている作業では、OpticStudio による光線追跡が必要でした。それによって、収差の大きさを示すデータを取得し、設計で生じる収差を補償するのです。」

また、OpticStudio に保存されているレンズデータの豊富さも、Li 氏の成功の鍵となりました。「この大規模なOpticStudio レンズカタログは、われわれの解析に間違いなく役立ちました。」とLi 氏は語っています。「テスト

する必要のあるレンズがすべてカタログ内にあるので、作業がさらに効率化されました。」

イェーナ大学がバルクレーザー加工シナリオの光学設計のオフセット要件を決定するために OpticStudio で適用した 4 ステップのプロセスについては、記事本文でご覧ください。また、光学設計ソフトウェアの業界標準であるOpticStudio  の詳細については、無料体験版でお試しください。