2022年6月14日
参考光学設計紹介:顕微鏡

一般的に結像光学系の代表的なアプリケーションの例として、顕微鏡があります。顕微鏡は、試料からやってくる光をコリメート光にする対物レンズ、コリメートされた光をCCDや写真乾板に結像するための結像レンズまたは、人間の目に入射することで像を結ばせる接眼レンズと、微小な構造の観察に適した様々なタイプの照明系から成り立っており、一般的に知られている光学系の代表で、幅広い分野に使われています。今回のブログでは、この顕微鏡の参考設計をご紹介いたします。細かい前提条件や、設計手法については、以下の参考記事をご参照ください。
結像系の設計に際しては、光学の原理を応用して設計部分を切り分け、単純化して設計するのが効果的です。一般的には、最も難しい対物レンズ、次に結像/接眼レンズをそれぞれまず設計を行い、合体させて結像系として設計を行います。

図1 : 結像系の設計
次に照明系の光学系を考えますが、今回の記事では同軸落射かつ、暗視野照明の設計方法をご紹介しています。特に、暗視野照明と対物レンズの設計について、マルチコンフィグレーション機能を使ってどのように切り分けて、両者が成り立つように設計を行うかという部分は、この記事の一番の見所です。

図2 : 同軸落射照明光学系と対物レンズの設計
最後に、これらの設計事例とは別に、蛍光顕微鏡の設計を取り上げた記事がありますので、こちらもご紹介いたします。こちらは設計テンプレートに存在している対物レンズを用いて、同軸落射蛍光顕微鏡を設計しています。加えて、結像関係の設計についてはシーケンシャルモードで評価できますが、蛍光による迷光の影響を評価するために最終的にノンシーケンシャルモードでの解析を行っており読み応えのある記事です。サンプルファイルもそろっているため、顕微鏡のアプリケーションに興味がある方はぜひこれらの記事をご参考ください。

図3 : 蛍光顕微鏡の全体光学系の例
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参考記事