2022年9月20日
OpticStudio を用いた、迷光解析シミュレーション - 基礎編

想定している結像系での結像性能や照明系での照射面の性能に気を配りますが、迷光が発生することでせっかく設計された光学系の性能が発揮されないことがあります。このような迷光による予期しない性能悪化を避けるために設計工数を割くことは、光学系によっては重要になります。
OpticStudio では、シーケンシャルモードには、結像系の光学系で見られるレンズ面間の反射によって発生する迷光を解析するための、「ゴースト解析」機能が存在し、GAOI や GPIM といったオペランドを使用することでそのような迷光を避ける設計を行うことが可能です。一方、シーケンシャルモードでは散乱や複雑な形状のオブジェクトや複数の光源を設定することができないため、迷光解析に限界があります。
それに対し、ノンシーケンシャルモードは、複数の光源とディテクタを設定することができ、反射や散乱による相互作用の影響を光線追跡の範囲内で定量的に解析できるので、光線追跡に時間がかかってしまうという欠点はあるものの、より正確で複雑な迷光解析を行うことができます。今回はノンシーケンシャルモードを用いた迷光解析の基礎的な設定方法や解析方法が学べるナレッジベース記事を紹介します。
OpticStudio にデフォルトで搭載されているシーケンシャルモードのサンプルレンズに対して、ノンシーケンシャルモードに変換したうえで、迷光解析を行う例を示しています。
フィルタ文字列の使い方や、CAD で作成したオプトメカ部品の取り込み、メカ部品による迷光の基本的な解析事例を習得することができますので、レンズを作成した後に迷光解析を初めて行う場合には一度目を通していただければと思います。
こちらの記事は反射望遠鏡による迷光解析を例示した記事で、ノンシーケンシャルモードで行うことができる、基本的な迷光解析のテクニックが紹介されています。
10月のこのコーナーでは、実際のアプリケーションでの迷光解析事例の記事を紹介させていただきます。