2022年7月15日

OpticStudio の PSFとMTFの計算方法について

Category: Product News

OpticStudio には PSF (Point Spread Function : 点像強度分布関数) と MTF (Modulation Transfer Function : 変調伝達関数) という解析機能が用意されています。PSF は視野上の一点から出た光が、像面でどのような分布になるかを示す関数で、像質を示す最も基本的な解析機能として知られています。一方MTF は空間周波数毎に光学系による結像性能を表す関数として知られており、視野や焦点位置変動による結像性能の評価に最もよくつかわれる解析機能の一つです。

MTF とPSF は関があり、両者には前提や理論の違いにより複数の計算方法が存在します。OpticStudio では3種類の異なる計算方法でそれぞれの解析を行えます。すなわち幾何光学的、FFT 及びホイヘンスと呼ばれる計算方法です。(幾何光学的 PSF は伝統的にスポットダイアグラムと呼ばれて、別個の項目となっていますが、幾何光学的 MTF の計算に使われるのはスポットダイアグラムの結果です。)

これらの計算方法や設定については、ヘルプファイルにも記載されていますが、ナレッジベースの記事にはより詳細にこれらの計算方法とその違いについての議論が乗っていますのでご紹介します。これらの議論は難しいですが、理解、駆使して光学系にあう計算方法を使用することでより性能のよい設計により早くたどり着くことは、光学設計者として重要なスキルになりますので学習をお勧めします。同様に、 PSF や MTF を使った解析や最適化に迷うときやシミュレーション結果と実測定との誤差に悩む場合にはこれらを参考にしてください。

PSF や MTF の計算に関する記事:

点像強度分布関数とは

MTF の最適化方法

ティルトした像面で FFT MTF とホイヘンス MTF の結果が異なる理由

PSFは画像シミュレーションにも採用されています。こちらの記事も参考として添付します。

高解像度画像のシミュレーション方法

Community にも日本語のポストとして MT Fや PSF の議論が存在します。

FFT PSF、Huygens PSFはそれぞれどういう式に基づいて 計算しているのでしょうか。 | Zemax Community

解像力チャートのシミュレーションについて | Zemax Community

ホイヘンスMTFが幾何光学MTFよりも高いときのチェックポイント | Zemax Community