2021年5月26日
Zemax 最新リリースに STOP(構造・熱・光学性能)分析の新モジュールを搭載

OpticStudio® 21.2には、STOP (Structural, Thermal, and Optical Performance : 構造・熱・光学性能) 分析用のツールを備えた新しいモジュールが搭載されています。
OpticsBuilder™ 21.2では、Qタイプの非球面をサポートし、光学アセンブリのファイル管理が容易になりました。
ワシントン州カークランド- Zemax社は、当社ソフトウェアであるOpticStudio® および OpticsBuilder™ の最新リリースを発表します。これらの製品のバージョン21.2は、2021年予定されている3回のリリースのうち2回目のリリースとなります。
STOP (Structural, Thermal, and Optical Performance : 構造・熱・光学性能) 分析用モジュール 「OpticStudio STAR」のご紹介
OpticStudio 21.2 には、有限要素解析 (FEA) パッケージと OpticStudio 間のワークフローを簡素化し、合理化するための新しいモジュール、OpticStudio STAR (Structural, Thermal, Analysis and Results:構造分析および熱分析と結果)が含まれています。
任意のシミュレーションパッケージから構造および熱 FEA データセットを OpticStudio に直接読み込むことで、エンジニアは OpticStudio STAR モジュールを使用して、構造および熱要因がシステム性能に与える影響を容易に評価し、視覚化することができます。
STAR モジュールは、直感的なユーザインターフェースを備えているだけでなく、STAR のアプリケーションプログラミングインターフェース (STAR-API) と OpticStudio のアプリケーションプログラミングインターフェース (ZOS-API) を介してワークフローの自動化をサポートしています。これにより、STAR モジュールは、Zemax ソリューションと他のエンジニアリングシミュレーションツールとの接続を強化します。
"Zemax 社の最高経営責任者である S. Subbiah 博士は、「構造および熱要因が光学性能に影響を与える場合、当社のお客様は複雑な複合的な影響を分析し対処する必要があります」と述べています。" STAR モジュールは、強力で正確な STOP 分析を提供し、光学設計と製造のワークフローに容易に統合できるように設計されています」と述べています。
精度の向上と新たな可能
NASA との共同作業では、光学系は完璧でなければなりません。ベータプログラムのメンバーであるアリゾナ大学のチームは、STAR モジュールを使用して、先進的な望遠鏡光学系を設計する将来の NASA の太陽系外惑星検出ミッションの提案書を作成しました。
アリゾナ大学光学科学・天文学助教授の Daewook Kim 氏は、「今では、FEAソフトウェアから OpticStudio にデータを取り込み、STAR モジュールを使って STOP 分析を行っています」「構造的、熱的な影響を迅速かつ容易に確認することができ、光学設計が正確であることを確認することができます。」と、述べています。
OpticStudio および OpticsBuilderの更なる強化
OpticStudio STARモジュールに加えて、OpticStudio 21.2 では他にもいくつかの機能が向上しています。ティルト/ディセンタエレメントツールに新たに追加された軸外し回転中心により、機械的な取り付け構造に基づいた現実的なティルトやディセンタの設定プロセスが大幅に簡素化されました。これは、オプトメカニカルモデルの正確な設計と公差解析を行う上で非常に重要です。また、21.2 では、ホログラム レンズ、ホログラム面、トロイダル ホログラム(ノンシーケンシャル形状オブジェクト)のノンシーケンシャルモードでの回折計算をサポートしています。これにより、ヘッドアップディスプレイや複合現実感ゴーグルなどのアプリケーションにおいて、ボリュームホログラムを完全な3D環境で正確にモデリングすることができます。
OpticStudio 21.2には、ノンシーケンシャルパス解析ツールのアップデートが含まれており、光線追跡中にデータを計算して新しい .PAF ファイルに保存することができるため、光線経路データにアクセスするために大規模な光線ファイルを保存したり解析したりする必要がなくなりました。この拡張機能は、複雑なオプトメカニカルモデルの迷光解析において、意図しない光路を特定し、最小化するのに有効です。
携帯電話のカメラレンズなど、多くのカメラシステムの小型化が進む中、これらのシステムの設計にはより複雑な非球面が求められています。これをサポートするために、OpticStudio 21.2 では ノンシーケンシャルモードにQタイプ非球面のサポートが追加され、このサポートの追加により、このオブジェクトをCADにネイティブにインポートできるようになりました。
また、OpticBuilder 21.2では、オプティカルアセンブリを削除し、新しい .ZBD ファイルで再スタートする機能があり、OpticStudio と OpticBuilder 間のワークフローがさらに改善されます。
Zemax 社について
業界をリードする Zemax 社製の光学設計およびシミュレーションソフトウェア OpticStudio®, 光学メカソフトウェア OpticsBuilder™, ならびに光学設計データビューア OpticsViewer™ は、光学、機械、製造の各エンジニアリングチームの光学・照明系に関するアイディアの現実化を手助けします。光学およびメカ設計のワークフロー全体で Zemax 社のソフトウェアを標準化することで、開発の繰り返しや度重なる試作品の製作を減らし、市場投入までの時間が短縮されます。
Zemax 社は、米国ワシントン州カークランドに本社を置き、英国、ドイツ、日本、台湾、中国にオフィスを構えています。詳細はこちら: www.zemax.jp.